「ニーア レプリカント(NieR Replicant) ver.1.22474487139…」 レビュー
間違いなく「ニーア オートマタ(NieR:Automata)」のヒットを受けて発売されたであろう「ニーアレプリカント(NieR Replicant)」のバージョンアップ版となる「ニーア レプリカント ver.1.22474487139…」のレビューをフェアではありませんが、現世代のゲームとの比較やニーアIPとしても考えながらレビューしていきます。
ネタバレも含みますのでご注意ください。
評価できる点
本作の評価できる点は世界観・ストーリー、そして音楽と「ニーア オートマタ(NieR:Automata)」と共通していると言えると思います。
ただし、世界観・ストーリーについては、おそらく「ニーア オートマタ」以上にゲームだけでは理解が難しく、設定資料集など公式の書籍やYoutubeなどにある誰かの解説で補完して初めて理解できる部分が多いという意味では、ゲーム外で情報を補完して初めて評価できる部分だと思います。
バージョンアップ版
本作は、リマスターでもなくリメイクほど手が入っているわけでもないとのことで「バージョンアップ版」ということになっています。
目立つところでは、グラフィックのアップデートと、アクション面の大きな改善、そしていくつかの追加要素となります。
グラフィックのアップデート
グラフィック面では、主要キャラクターのフェイスがオリジナルでは少々暗い面持ちのちょっと怖い感じだったのが、綺麗で可愛い感のあるものに変更されました。この点は評価できるところです。その他のグラフィックのアップデートといっても、各エリアのオブジェクトなど明らかに密度がなく、かなり寂しい感じでオブジェクト量含めた細かなマップの作り込みでは現代的な他作品には明らかに劣りますが、ここはオリジナルの雰囲気を再現したという面もあるかと思います。
アクションのアップデート
アクション面は「ニーア オートマタ」の後になるということもあり、「ニーア オートマタ」の開発であるプラチナゲームズのアドバイスもあったとのことで、かなり遊びやすい仕様に変更されており、そのためか難易度ノーマルでもかなり簡単な部類のゲームとなっており、アクションが苦手な方でも遊びやすいと思います。
この点は、オリジナルの雰囲気も維持しつつ現代的なアクションになっているという点で素晴らしい部分です。
本作の抱える問題点
一番大きな影響となっているのがエリアやロケーションの少なさです。各エリアもそれほど大きいわけでもなく、このことが色々な面でタイトルの評価を下げてしまう要因となっている印象があります。
ひたすら繰り返し
少年編・青年編通してクエストでかなり色々な箇所に行かされますが、ロケーションが少ないために後半になればなるほど、新鮮味がなくなりお使い感が出てきます。さらに本作には多くのサブクエがあり、コンプリートしようと思うと、とにかく何度も同じ場所に行かされることになります。要するにロケーションの数に対してクエストが多すぎるというバランスの悪さを感じます。またサブクエの内容も主要キャラクターに絡むものは限定的で多くは街の住人の抱える問題を解決するものとなっており、会話のカットシーンもなく、クエストの進行にひねりもないので内容がかなり薄いです。
ファンサービス
魅力的な世界観・ストーリー、「ニーア オートマタ」の存在から、ニーアファンに向けて追加されたであろうコンテンツはシンプルにプラス評価で、それこそ、Eエンドでのカイネの操作はファンにはたまらないものだと思いますが、フォトモードがないのが非常に残念に感じました。
前述の通り、各エリアやロケーションの作り込みなどそれほど綺麗なわけでもないのですが、魅力的なキャラクターの撮影をしたかったユーザーは多いのではないでしょうか?フォトモードがあればSNSでの拡散も期待できることからもったいないなぁと感じる部分でもあります。
「ニーア オートマタ」ほどではないゲームの完成度
正直、どの面から見ても「ニーア オートマタ」ほど評価できるゲームではないと感じます。
特徴の一つと言える周回要素についても、「ニーア オートマタ」では周回とは言えないレベルの変化があったり、周回にもちゃんと設定があるのですが、本作の周回は本当に同じことの繰り返しで一部だけ内容が追加される程度で、ゲーム的なボリュームの水増し感がかなりあります。
ニーアというIP
本作「ニーアレプリカント(NieR Replicant)」のオリジナル版から11年経過しての発売、「ニーア オートマタ」が2017年の発売とかなり時間が空いてしまったことで「ニーア オートマタ」からニーアシリーズをプレイしたというプレイヤーも一定数いることを考えると大ヒットとなったニーアというIPをより確かなものにするために必要となったという見方もできるのではと思います。
「ニーア レプリカント」と「ニーア オートマタ」は、同じ世界であり同名のキャクターも存在するものの、それほど繋がりが強い作品ではないので(2作品の間には約8000年の時の経過があります。)、ゲームの完成度という意味でも絶対やらなければいけないゲームとおすすめできるほどのゲームとは思いませんが、それでも確かに評価できる面も持ちあわせた作品であるのは間違いないです。
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