『ステラーブレード」(Stellar Blade) レビュー

韓国のSHIFTUPによる開発となるアクションゲーム『Stellar Blade』のレビューです。
韓国といえばPC向けオンラインゲームのイメージが強いですが、コンシューマーゲームとしての開発に挑戦した作品となっています。

世界観・ストーリー

謎のクリーチャー「ネイティブ」によって地球が支配されており、地球を取り戻すためコロニーから地球に降り立った主人公「イブ」を操作して進めていくことになります。人類自体はテクノロジーにより肉体のほとんど代替可能になっており、心臓すらも「ボディセル」というものに置き換えが可能になっています。また、地球にも人類最後の都市としてザイオンが存在します。

ゲーム設計含めかなり「ニーアシリーズ」の影響を強く受けており、映画「マトリックス」などの影響も感じられます。

そしてストーリーですが、基本的には設定的に珍しいものがあるわけでもありませんが、全体として悪くないとは感じています。メインストーリーではなぜ地球がこのような状況になっているのか、過去に何があったのか地球を奪還できるのかという点で描かれていき、サイドクエストなどでは地球に残った人間達のことが描かれていくというわかりやすい構成になっています。

ただし、本作のボリュームは収集要素を除くと少ないという影響もあり、メインストーリー自体はあまり深掘りができていないのが惜しい点かなという印象です。
一応、マルチエンディングを採用はしているのですが、シンプルな分岐でこのあたりからも薄さを感じる部分です。

マルチエンディングのキーとなる「リリー」(左)と「イブ」に随行するドローン。

非常によくできているが細部で惜しいアクション面

ゲームとしてはいわゆるソウルライクと言って問題ないと思います。もう少し正確に表現するとニーア以上ソウルライク未満ソウルライク寄りという感じだと思います。主人公「イブ」が使えるのは剣と銃のみとバリエーションは少ないです。ただし、剣によるアクション自体は非常に多彩でスタイリッシュです。

成長要素としては、剣のアップデート、「イブ」自身のHPやスキルゲージのアップデート、スキル自体の拡張、ダメージアップなどが存在します。スキルはベータ、バースト、タキモードとあり、L1またR1+各ボタンで発動とプレイヤー側の選択肢は多様です。

基本的には操作感も悪くないのですが、気になる点もあり、その一つが「ブリンク」と呼ばれるものです。操作としては敵の攻撃で青く光る攻撃の際にスティック上+回避ボタンを入力ということになっているのですが、どうも敵との軸が少しズレると発動しない印象があります。

銃についてもレーザーや小型ミサイルみたいなものなど4種類の弾薬を切り替えて使えるようになっていますが、銃の構えが遅いなど若干使用感は気になる点もあります。

操作感のところ微調整が必要かなという部分はあるものの全体的にかっこいいアクションによく実装されているという印象です。

グラフィック、デザイン

グラフィックのレベルは高いです。
キャラクターデザインはいかにも韓国産を感じるフェイスになっており、服装や環境系の細部の装飾などもよくできていると思います。ただし、水濡れの表現がないというのが惜しい点だと思います。

服の透明部分の光の処理も素晴らしい。テクスチャで描画されているのでなく光源の影響がきっちり反映される。

本作のプレイ時間の多くの部分を占める収集要素もほとんどが「イブ」に関連するもので、特にきわどい服装はこれがPlayStationプラットフォームのゲームであることが信じられないもので、昨今のいきすぎたポリコレを真っ向から否定するものになっており、この点も本作の評価に起因しているのは間違いないかと思います。

総評

細部に微調整が必要な部分を感じたり、少々物足りないメインアクティビティなど改善点は間違いなくありますが、全体的に非常によくできているのは間違いありません。エンドロールを見てもPlayStation関連企業と思われるクレジットが多いので、いろいろとサポートもあったのではないかと思いますが、「SHIFTUP」の今後の作品も注目の作品となるかと思います。

体験版もありますので、興味ある方は一度体験してみる価値はあると思います。

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