『Star Wars Outlaws』(スター・ウォーズ 無法者たち)レビュー
何かとお騒がせしているUBIよりリリースされた『Star Wars Outlaws』のレビューです。
開発は、「Massive Entertainment」で同社のタイトルとしては「Division」シリーズが有名だと思います。その他、直近の作品としては、「Avatar: Frontiers of Pandora」(レビューはこちら)があります。
スターウォーズを感じる緻密なワールドデザイン
この点に関しては開発スタジオが「Massive Entertainment」と発表された時から全く心配はしていませんでした。同社の「ディビジョン」のオープンワールド環境の作り込みの凄さがあったので、スターウォーズの世界もきっちり構築してくれるだろうと思っていました。
この点に関しては各マップから効果音、音楽に至るまでかなり良くできていると感じます。
メインストーリー
まず、本作の主人は闇稼業に生きる「ケイ・ヴェス」という女性主人公です。
本作ではスター・ウォーズお馴染みのジェダイ、フォース、シスなどの特殊能力を持ったキャラクターは登場しません。
主人公も普通の人間で、映像作品でいう「ハン・ソロ」やローグワンの「キャシアン・アンドー」と同じです。
大まかな流れとしてはある人物に大物の宝物庫に眠るお宝(情報)を盗むように依頼されたケイは協力者を探して目的を目指すという流れです。もちろん最後には色々な展開が待ち受けており、スター・ウォーズらしい展開でした。この点に関してはそれなりに高い評価を得るべき作品だと感じています。
アイデアも挑戦も感じないアクション面
本作は一応TPSと言って問題ないと思います。
ただし、かなりステルス面が強めで敵に見つかっただけでゲームオーバーとなる設定になっている場面も多くなっています。
シューター面を確認していくと、主人公はいわゆるピストル型のシンプルな銃(スター・ウォーズ同じみのブラスター)と所持数が少ないグレネード、近接格闘(とはいえ主人公は撃たれ弱いので・・・)ぐらいしか攻撃手段は与えられていません。いわゆる乱射できる銃などは敵を倒すことで一時的に入手できるものの、マガジンを撃ち切るとそこで終わりです。
要するに要素としては非常に薄いです。
次に重要なステルス要素を見ていくと、しゃがみによる移動や物陰に隠れての移動、背後からの近接キル、相棒である動物「ニックス」による一時的な誘導ぐらいしかなく、ここについても一般的なよくあるステルス要素の基本的なものしかありません。
一応マップ内には爆発物や落下物などが用意されていますが、UIとして補助するものがなく、敵がその範囲に入っているのかかどうかの区別がつきににくいです。もっと言えば、これらはステルスという意味では逆効果のものとなっており、大きな音を立てるので、敵キャラクターは周りの捜索を始めます。
このように薄いシューター要素と薄く全くアイデアもないステルス要素を掛け合わせたところでゲームとしての深みは出ていません。
この点については非常に残念なところで本作の評価を大きく下げる要因になっていると思います。
成長要素
本作はレベルの概念がなく、装備による追加の効果があります。
またストーリーを進めることで出会う様々なキャラクターから敵を数体倒すなど一定のタスクをクリアすることでステータスや各種アクションのアップデートが可能となっています。
ただし、これらの要素は戦闘面のプレイの幅を広げるものとは言い難い部分です。
シンジケートという要素
要するに裏社会に属するグループなのですが、それぞれのグループごとに評判というものがあり、その段階次第で取引ができたり特定のエリアに普通に入れるようになったりなどの若干の行動のしやすさや報酬を得ることができます。各グループごとのクエストなどで評判を得られますが、その結果別グループの評判が下がることが多く、クエストの最後にも選択肢があったりするので最終的には自分の決断次第となっている要素です。
まとめ
ジャバなどお馴染みのキャラクターも登場するなど、スター・ウォーズの世界を感じられるゲームなのは間違いなく、メインストーリーも良くできていると思います。
一方で2024年のオープンワールドゲームとして全く進歩やオリジナリティなどを感じられないゲームプレイ部分はただ残念としか言いようがない部分です。
本作もUplay+の対象作品なのでサービス対象のゲーム環境を所有しているかつ、Star Warsファンだという方はストーリーだけでも体験する価値はあると思います。
(フルプライスでのプレイは正直厳しいと言わざるを得ません)
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