アウトライダーズ(Outriders) レビュー

体験版のレビューも掲載した「アウトライダーズ」製品版のレビューです。
メインストーリーやサブクエストを一通りプレイし、エンドコンテンツである「遠征」についても少し触れた状態のでレビューとなります。

世界観・ストーリー

プレイヤーの分身となる主人公は、エノクという惑星に先遣隊「アウトライダーズ」として上陸し、そこで起きた出来事をきっかけに特殊能力を得てしまいます。
エノクで起きている状況の解決のため、奔走するということになります。
ストーリーの序盤は体験版でもプレイ可能です。

ルートシューターというとメインストーリーはおまけでシンプル且つ短めに実装されることが多いですが、本作ではそこそこしっかり実装されており、カットシーンなども豊富です。
ただし、個人的には最終盤で盛り上がりに欠ける印象があり、ラスボスについてもキャラクターとして色づけや存在がかなり薄いのが残念でした。

ロケーション

各ロケーションを乗り物で移動しているという描き方になっているのでストーリー進行に連動して多くのロケーションを訪れることになります。メインストーリーではロケーションの使い回しもなく、各地域ごとに特色を出せているのはよい点だと感じました。

基本的にはロケーションごとにいくつかのエリアが繋がった形になっており、そのエリアでは、キャンプが1箇所あり、メインストーリーの進行で開放されていくファストトラベルポイントが3箇所ほど用意されて、メインストーリーで利用されるエリアとサブクエなどのアクティビティで利用されるエリアという感じでいずれのロケーションも構成されています。

全体マップの約半分ほどのローケーション
各ロケーションのエリアマップの一例。

マップ自体はあまり機能してなく、現在自分がいるエリア自体は表示されるものの、そのエリア内のどこにいるのかまで情報として表示されない上にミニマップに方角表示もないため正確に現在地を確認する手段がなくUIとしては失敗といえます。

クラフト

体験版では実装されていない要素であるクラフトですが、本作のクラフトは非常に柔軟な仕様となっており、本作のいい点のひとつです。素材を必要とするもののお気に入りの武器があればそれをずっと使い続けることも可能です。

レアからエピックなどレアリティのアップデートからアイテムレベルのアップデート、特性のレベルアップも可能で、レジェンダリーのモジュールも他武器に設定することが可能とかなり柔軟な仕様となっている。

ティアとゲーム難易度

本作ではワールドティアという形で難易度設定が可能となっており、ティアをあげるために自分が設定できる最上位のティアで経験値のようなものを一定数獲得して次のティアを開放するという流れになっています。

デフォルトでは、常に最上位のティアを設定する形になっていますが、メインストーリーを進行するに当たりこの設定は若干難易度が高めです。これは体験版では少し難易度が低くなっていたので注意すべき点です。

この難易度が状況によっては、死にゲー感を感じるほどの難易度で、あまりにも難しすぎて難易度を下げざるを得ないこともありました。ただし、死んでもそこまでに取得した装備などは残るので、少しずつ装備をアップデートしていくことで徐々に進んでいくことも可能で、詰まったときに装備やビルドを見直して挑戦してみるとあっさりクリアできてしまうこともありました。ティアの設定変更はいつでも可能という柔軟さもあり、ティアの難易度に関する仕様は非常にうまく実装出来ていると感じています。

ティア1に設定してさっさとストーリークリアしてしまうという情報も出ていますが、ティア1はすごく簡単すぎるので、それでは個人的にはゲームとしてもったいないという印象があります。

エンドコンテンツの仕様とルーターシューターとの乖離

本作のエンドコンテンツ「遠征」はタイムアタックで一定の成績を残すとチャレンジティアがアップしたり、報酬が増えたりします。
チャレンジティアはワールドティアの上位版のようなもので、さらに上の装備レベルの開放という機能を担っているため、このティアをあげること自体がエンドコンテンツ最初の目標となります。

このタイムアタックであることが多様なビルドによるプレイを提供するはずのルートシューターとコンテンツとしてのズレが出来てしまっており、当然プレイヤー側は早くクリアするためのビルド構成を最優先としてしまいます。
要するに攻撃力を可能な限り上げて早く敵を殲滅することだけを目標とするビルドが必然と言える状態となってしまいます。

マルチプレイとバグ

ゲームクライアントやサーバーの安定度などで苦労しているようで、進行不能バグには遭遇しませんでしたが、クリティカルなバグとしては体験版から残っているアイテム消失バグが製品版でも残っています。
マルチプレイの不安定さも含めてまだまだ安定しているとは言い難い状況です。
(各プラットフォームにて最初のパッチが配信され始めていますが、アイテム消失バグについては、どうもさらに酷くなってしまったようです。)

左側武器の欄が2つ空になってしまっている。どこに行ってしまったのか・・・

マルチプレイについては、ストーリークリア後となるエンドコンテンツのマッチメインキングの仕様の方が大きな問題だと思います。

本作ではティアで入手できる装備のレベルが異なるので、当然自分のティアを設定可能な最上級に設定してエンドコンテンツで装備の更新を図りたいところですが、マッチメインキングでは、そのティアが考慮されていないようです。
例えば自分がティア15でも、それ以下のティアの人とマッチングすることが多く、それでは入手できる装備レベルが低いので全く意味がありません。

まとめ

ルートシューターとして、クラフトなどの柔軟な部分や細かな部分まで配慮を感じる仕様もありながら、不安定なクライアント・マルチプレイやエンドコンテンツの仕様など、疑問を感じる部分も持ち合わせる本作ですが、継続的なバランス調整などは提供されるものの運営型タイトルではないという点を考慮すると長くプレイするゲームではないと思います。

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