アサシンクリード ヴァルハラ レビュー

アサシンクリードシリーズ最新作、「Assassin’s Creed Valhalla」のレビューです。もはや触れないことの方が違和感のある表現規制の件なども軽く触れながらレビューしていきます。

レビューの状況については、PC版によるプレイ。DLC未発売、アクティビティはほぼすべて消化した状態でのレビューです。また、シリーズプレイ歴としては2D版やモバイル作品を除いて1から全ての作品をプレイしています。

少しネタバレも含みますのでご注意ください。

ストーリーと世界観

今作はヴァイキングが題材ということで北欧ノルウェー、イングランド、ヴィンランド、アースガルドとエリアがあり、基本的には、いくつかのエリアに細分化されたイングランド各地でヴァイキングやサクソン人が抱える問題を解決しながら、同盟相手を増やしていくという流れになっています。

今作では、主人公がヴァイキングですが、その点も含めてシリーズで一番アサシン(隠れし者)やテンプル騎士団(古き結社)との関わりがストーリー的にも薄いです。

主人公は隠れし者と序盤で出会い、アサシンブレードを入手しますが隠れし者への参加は断ります。今作についても、オデッセイ同様にイス(先駆者)との繋がりを描く面が強いのですが、そのボリューム自体はわずかで物語的に大きく何かが進むというほどではありません。

アサシン教団、テンプル騎士団、先駆者とのストーリーが薄いのは残念なところですが、各地で展開されるストーリー自体は、バリエーション豊富でよく出来ており、ヴァイキングやサクソン人などとの関係構築など、会話シーンなど細かい演出面も含めてよく描けていると思います。

アクション面

アクションのベースがオリジンズ・オデッセイと同じなので、十分合格点だと思います。ただし、オデッセイよりは爽快感という意味では若干劣ります。
これはオデッセイの主人公が初期から所持している武器の設定などもあるので仕方ない気もします。(半神半人かつ、アーティファクトとなるチート武器を所持)

システム面

前述の通りオリジンズ、オデッセイとベースが同じシステムなので、各種アクティビティも同じようなものが存在します。

また、今作ではレベル制が廃止されたものの、一定の経験値でスキルポイントを取得し、それを使ってスキルツリーを解除していくことで戦闘力という数値で表現され、各エリアにも推奨戦闘力があることから感覚としてはレベル制と対して違いがありません。

スキルツリー、キャラクターのステータスアップからアクション面での強化ができる。

装備面ではハクスラ要素が廃止され、装備によって一定のステータスが与えられるようになりました。各装備には強化レベルがあり、それによってお気に入りの装備をずっと使い続けることも可能です。

中央やや上の白ゲージが強化。同じシリーズの装備を複数装備することによるセット強化も存在する

また、過去作品からソーシャルステルス(民衆に紛れる)や拠点を発展させる要素(AC3にあった要素)というものも復活されており、過去2作品とは違う味付けということだと思うのですが、特にソーシャルステルスについてはあまり効果的に導入出来てない印象です。

ワールドクエスト

他のゲームでもよくあるサイドクエストと言われるものが本作では「ワールドクエスト」という名称になっています。これらはクエストリストに登録されず、次に何をするのか画面に表示されることもありません。次に自分が取る行動は大抵NPCとの会話などから判断して行動する必要があります。

おそらく大多数のゲームにあるサイドクエストとは異なる体験を目指したものだと思いますが一方で何をすればいいのか分かりづらいという面もあるので、評価という点では難しい仕様だと感じます。

表現規制と騒動

まずは、表現規制とそのゲーム内での実装を見ていきますが、ストレートに言って雑と感じます。今作では、暗殺時などにゴア表現を含む演出が入るようになっているのですが、日本版ではその演出自体がばっさりカットされています。正確にはカットというよりは画面上に表示されていないだけなのではと感じます。それによってアサクリシリーズでは、暗殺対象などの場合、死体に対して「死亡を確認する」というアクションを行う必要があるのですが、演出が表示されていないためか、そのアクションを取れるようになるまでに一定の時間何も出来ないという状態になります。また、出血表現をなくしてしまったことでヒットエフェクト自体もなくなってしまっていたりします。

次に規制内容とUBIJの対応については、もう残念としかいいようがありません。そもそもUBIJのサポート体制自体正直ユーザーとの距離を縮める気が全くないのではと感じます。UBI作品を多くプレイしている自分にとってはUBIJのサポートには、もはや期待していないのですが、本作においてもオープンワールドゲームにありがちな進行不能バグなど多くのバグを抱えた状態になっていましたが、UBIJからそのあたりのディティールが全く発表されていません。こういう部分も大切にしていくことがユーザーの増加に貢献していくこともあると思うので、その姿勢には疑問を感じます。

そもそも、規制については、今作から始まったものでもなく、もう何年も前から存在するものです。開発の段階でそういう部分も考慮に入れた対応が出来ないものなのか不思議に感じます。

まとめ

いろいろあった作品ですが、ゲーム自体は高次元でオープンワールドゲームとしてまとめられており、オススメできる作品です。すべてのアクティビティを消化しようとするとかなりのボリュームもあります。

オリジンズ・オデッセイともにDLCでストーリーが大きく動いたので、その点も期待しています。

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