アバター:フロンティア・オブ・パンドラ レビュー
Massive Entertainment開発、映画「アバター」を原作とし、同じ世界で展開され、オープンワールドで一人称視点となるFPSのゲーム「アバター:フロンティア・オブ・パンドラ」のレビューです。
オープンワールド・環境
本作の開発の中心は「Massive Entertainment」です。
マッシブといえばDivisionシリーズや現在は2024年リリース予定の「Star Wars Outlaws」の開発を担当しており、本作もDivisionでも使用されたSnowDropエンジンが採用されています。
またUBIの他スタジオの作品(アサクリシリーズなど)でも、その作り込み、オブジェクトの密度など、素晴らしいものがあるので、何も心配していませんでした。本作はいわゆるPS4などレガシーの機種には対応していないということもあり、さらに期待できるものになるとも考えていましたが、自然豊かなパンドラが舞台ということもあり、非常に密度の濃いオープンワールド環境は素晴らしものになっていると思います。
ストーリー
本作オリジナルのストーリーが展開されます。映画と同じ世界でのストーリーとはなっていますが、繋がりがあるわけでもなく一応、映画の主人公の名前がテキストに出てくる程度の繋がりしかありません。
本作ではプレイヤーはナヴィとなり、連携の取れていない様々な部族間の協力関係を気付きながら最終的に人間の拠点を攻めるという展開になっていますが、演出面の問題なのか、いまいち、平凡な流れになってしまっていると感じます。
本作は、FPSということもあってなのか、会話シーンなどの演出もほぼプレイヤー視点での展開となっているのもあり表現的に難しい部分もあるかと思います。個人的に一番残念だったのは、最終盤、いろいろな部族が協力してスカイ・ピープル(人間)の拠点に攻め込むという状況において、数人のNPCが自分を追い越して攻め込んでいくという表現だったのですが、さすがにさみしいというか迫力もなく「最後がこれか」とがっかりしました。
アクション面・システム面
UbiのFPSといえばFarCryシリーズがあり、FarCryアバター版ぐらいに考えていたが、実際のプレイ感については、特に戦闘面において異なった印象となりました。
アクティビティのメインとして人間の拠点を制圧するというものがあり、この拠点では、採掘をおこなっており、その影響で周辺の自然環境に悪影響が出て枯れてしまっています。この拠点を制圧することで自然環境が回復し、採集などが行えるようになるというフローとなっています。
拠点の制圧目標としては、採掘を行っている機械の電源などの破壊となっており、当然見回りの兵士などが存在します。拠点は大きく分けて大中小の3レベルの規模になっており、このうち中規模以上の拠点では、見つからず(アラームを鳴らされずに)に制圧に制圧すると報酬が追加されるというシステムとなっており、スニーク重視の傾向にと言える部分です。
また、基本的に主人公は撃たれ弱いので、このあたりにバランスについてもスニーク重視なのが感じられます。
わかりにくいガイド
クエストの進行で何をすればいいのかわからない、アクセスすべき対象のオブジェクトがわかりにくいということが頻発しました。特に序盤のまだシステムの理解が進んでいない状況では、多く体験しました。これは説明の不足なのかUIの問題なのか判断が難しいですが改善できる部分だと感じます。ナヴィの感覚という操作で対象物をハイライトできるのですが、クエスト対象の有効距離が短く、対象のオブジェクトを探すのに無駄に時間がかかるという経験を何度もしました。
目新しく感じた点
ゲームとして大きく体験を変えたというほどではありませんが、このゲームの特徴と言える部分も少しだけ。
本作では、おおよそ、4,5時間プレイした程度でフライングマウントが入手できるオープンワールドゲームとしては珍しい実装です。ただし、フライングマウントでの通常時の移動速度自体はかなり遅めになっています。
また、ナヴィは人間と比べるとかなり身長が高いので、人間との会話シーンは見下ろす形になるし、人間用に設定された建物などではしゃがんで進むという動作が必要になっています。
この点も小さな点ではありますが、他のゲームではなかなか体験できない部分と感じました。
いつものUBIゲー
結局の所、いつものUBIゲーという評価に落ち着くのかなという感想です。
続編が予定されている映画「アバター」の世界観が好みだったりする場合はプレイしてみてもいいかとは思いますが、ストーリー的に大きな繋がりはないと思います。
遊べるゲームではあるので、最低限のクオリティは維持している作品だと思います。
また、環境構築含めたグラフィック面はおそらく2023年のゲームとしては最高レベルの作品だと思います。
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