アヴェウムの騎士団 レビュー
EAのレーベル「EA Originals」からリリースされたシングルプレイ用魔法FPS「アヴェウムの騎士団」のレビューです。
開発は「Dead Space」「Call of Duty」などの開発に関わってきた開発者が設立したAscendant Studiosです。
名作シューターを開発してきた人が銃ではなく魔法を題材にしたことによる変化なども見ていきたいと思います。
魅力的なストーリー
本作は魔法をテーマにした世界観です。
人間が魔法を使うようになってから国家間で戦争を続けており、魔法自体は生活レベルで浸透している世界です。ただし、魔法はアヴェウムの世界を汚染する要因にもなっているという設定でどこか現実世界にも通じるものがある設定をベースとして騎士団に参加することになった主人公ジャックを中心に描かれます。
メインストーリー自体は最後まで素晴らしいものだと感じました。ただし、このゲーム独自の用語も多数登場するため、そこの理解は必須になります。幸いゲーム内ドキュメントは存在します。
俳優さんを起用しているため、演技力、フェイシャルアニメーション、ディティールの優れたグラフィックなど没入感に必要な要素はしっかり作り込まれています。
また、本作ではサイドクエストのような世界観をさらに掘り下げる仕組みは用意されていないので、すべてがメインクエストおよび各所に落ちているドキュメントでの描写となります。そういう意味では幅の広い作品とは言い難いです。
銃を脱しきれなかった魔法シューター
本作の主人公は、青赤緑の3系統の魔法を扱える数少ない魔法使いという設定です。
銃を持ち替えるのと同様に青赤緑を切り替えて使用でき、青が単発式のライフル、赤がショットガンなどのような短距離用、緑がオートライフル系という感じになっており、魔法なのに、リロードが必要です。その他、敵を補足して一気に引き寄せたり、対象物の動きを遅くするもの、またゲージを使用して発動する強力な特殊攻撃など攻撃パターン自体は多いです。
主人公の動きは重めに感じました。
防御手段としては回避と魔法によるシールドが存在しますが、回避がデフォルトで1回のみと連続使用ができない上に移動距離も短く、シールドは、敵の近距離系の攻撃ではほとんど一発で破壊されます。
この重い動きが一因となって一部でバトル難易度が高い部分が存在します。特に多くの敵を相手にする場面では画面外であろうが状況問わず各敵が攻撃してくるので、かなり回復に頼る場面が多いです。(もちろん回復の使用にも制限はあります)
個人的には1対1で戦える状況の方が楽しく感じました。
全体的に銃撃によるシューターの範囲を抜け切れていない印象です。せっかくの魔法という要素があるので違う感覚を得たかったと感じました。
難易度高めのやりこみ要素とアクティビティ
基本的にはメインストーリーをストレートに進める範囲では一部を除いてそれほどの難易度ではありません。ただし、やりこみ要素となるシュラウドフェーンというサブアクティビティはかなり難易度が高めとなっています。
シュラウドフェーン自体は異空間に飛ばされ、バトルやアスレチックをこなすという内容になっています。もちろんこれらのサイドアクティビティをクリアすることでキャラクターの成長に繋がりますが、自分は少しクリアしただけでも、メインストーリーはクリアできました。
またMAP上の各所にパズル要素があり、それらを解除することで、シュラウドフェーンが現れたり宝箱が出てきたり等します。
いい面も確かに存在するが・・・
魔法という素材を利用しながら銃によるシューターを脱し切れていない点、アクティビティーとしての幅が少ない点などマイナス評価せざるを得ない要素もありますが、ストーリー自体はよくできていると思います。フルプライスでのプレイはおすすめしにくいですが、EA OriginalsによるリリースということでEA Playでプレイが可能です。メインストーリーだけであれば20時間程度と長いゲームではないのでプレイしやすい環境にはあると思います。
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