イモータルズ フィニクス ライジング レビュー

「アサシンクリード オデッセイ」の開発チームであるUbisoftケベック制作のオープンワールドゲームで、多くの部分で共通点も見られる「イモータルズ フィニクス ライジング」のレビューです。

PS5、難易度はノーマルでのプレイレビューとなります。すべてのトロフィーを取得した状態です。

「アサシンクリード オデッセイ」との共通点

「アサシンクリード オデッセイ」開発チームが開発終了少し前から本作の開発を始めたと言うことで多くの類似点が見られます。

まず、使用しているエンジンが「アサシンクリードシリーズ」で使用されている「Anvil」エンジンです。

また、アクション面も、R1=弱攻撃、R2=強攻撃、R1+L1=パリィと壁も登れて、ペットとして鳥も常に近くにおり、世界観もギリシャ神話とあげるとキリがないぐらい存在します。

「アサシンクリード オデッセイ」との違い

まずはそのグラフィックと各キャラクターの特徴付けが最初に感じる部分だと思います。

グラフィック面ではリアルな表現ではなく、海外のCGアニメのような見た目で、滑空要素もあるのでゼルダを意識していないというと嘘になる印象もあります。

また、各キャラクターについては、非常にコミカルに描かれており、その性格や話し方、モーションなど、完全にアサクリのリアル路線とは別物となっています。

世界観

ギリシャ神話がベースとなっている本作ではテュポンからオリンポスとアフロディーテ、アレス、アテネなどおなじみの神々を救いつつ、テュポン討伐を目指すという流れになっています。面白いのは主人公「フィニクス」の行動に対してありとあらゆる場面でゼウスとプロメテウスの会話が挿入されるというストーリーテリングの手法となっています。
この会話が徹底的に愉快な内容となっているのもあり、面白い演出となっています。(ゼウス以外にも全体的にほぼ全てのカットシーン・会話シーンがコミカルに描かれている)

アクティビティ

基本的には戦闘、パズル要素がオープンワールド内にアクティビティとして散らばっており、UBIのオープンワールドゲーらしく、かなりのボリュームとなっています。これらのアクティビティのほぼ全てがキャラクターの成長、装備の取得、装備の見た目の追加に繋がっています。

パズル要素と言っても、大まかに2種類に分けることが出来る感じで、ひとつはいわゆるパズルなど知力を問われるものと、もう1つはプレイヤーの操作テクニックに一定の要求をするものとなっています。
パズル要素自体はかなり簡単部類なのですが、もう1つの操作テクニックを要求する方に関しては、かなりシビアな操作を要求するアクティビティも一部に見られ、もう少しバランス取れなかったのかと感じる部分もありました。

簡単なパズル要素の一例。場所によってはこのピースが最初はロックされていて、ロック解除のための更なるちょっとしたパズルをこなす必要があったりする。

パズル要素のバリエーション自体はかなり豊富なので悪くはないのですが、アクティビティの数自体が多いので、似た感じになるものも存在します。(いくつかのベースを組み合わせたような感じになっており、結果的に組み合わせのパターンが豊富となっている)

アクション面

R1片手剣、R2が両手斧という形になっており、基本的にはモンスターにあるスタンゲージをアビリティや両手斧による攻撃などでゲージをためていくとスタンして一定時間一方的に攻撃できるという形になっています。アビリティ自体はストーリーを進めていくと取得していき、そのアニメーションも派手で、アサクリとは異なるものです。

派手なエフェクトを伴う通常攻撃。コンボを重ねていくことでエフェクトも派手になっていく。この時点でアサクリとは演出面で大きく異なるのがわかる。

キャラクターの挙動自体はアサクリシリーズのような重みのあるものではなく、軽い操作感で且つアビリティも独創的で派手なエフェクトなので、戦闘自体は楽しいです。

スキル・アビリティ画面。ここで強化・取得が出来る。「スキル」がR1やR2、弓などの基本操作系の強化。「神の力」がいわゆるアビリティ。

装備としては、片手剣、両手斧、弓、胴装備、頭装備とあり、それぞれ異なるパークが設定されているので好みのものを選択して使用することになります。

アイテム・装備画面、武器や防具以外にも乗り物・鳥(フォスフォル)にもユニークな効果がある。

装備の見た目をカスタマイズできるいわゆるトランスモグも「アサシンクリード オデッセイ」同様に実装されています。

戦闘面ではアビリティなどが限定される序盤については少し難易度高めと感じました。これもアビリティの種類やキャラクターの成長によって緩やかに難易度が下がっていく印象です。

スタミナの存在

このゲームではダッシュ、アビリティの使用、壁登り、滑空、ジャンプとありとあらゆる行動でスタミナを消費します。これにより、キャラクターの移動にどうしても制限が出ることとなりますが、スタミナ自体が成長要素のひとつでもあり、スタミナ回復薬もあることを考えると決して悪い要素だったとはいえないという印象です。要するに、オープンワールド内の目的地にどう移動するのかという部分もパズルになっていると考えることも出来ると思います。

正し、このスタミナの存在が序盤の戦闘を若干難しくしている一因なのは間違いないと思います。

不必要な「千里眼」

景色をズームしてコントローラーの振動をヒントにカーソルを近づけてオープンワールドのアクティビティのある場所を探すことが出来る要素なのですが、カーソル操作が結構シビアなことと、アクティビティの多さもあり、かなり面倒なことになっています。この機能でアクティビティを見つけることでMAP上にアイコンが表示されるのですが、これなら、アサクリのビューポイントに振り切るか、近くに行ったときに発見となる偶然を演出したほうがいいのではと感じます。

操作

いろいろなアクションがあるので仕方ない部分もありますが、プレイしていると背面ボタンが欲しくなります。回復アイテムの使用が左十字キーで、ダッシュが□ボタンを押し続ける必要があります。いずれも戦闘中にキャラ移動やカメラ操作しながらなど結構厳しい操作です。

さらにPS5版でのプレイでも、決定ボタンが○ボタンのままと旧世代機と同じボタンです。

PS5から日本では海外仕様と同様に決定が×ボタンになったのですが、このことは大きい変更のはずです。どういうレギュレーションなのか不明ですが、こういう大きな変更をするのであればSONYとしては徹底させるべきで、ちぐはぐなことを許可していることが×ボタンへの決定変更に不満をもたらす一因となるはずです。

まとめ

その見た目のコミカルさとは異なり、なかなかな骨太さを感じる部分もある本作ですが、オープンワールドの景色も綺麗で良ゲーという評価で問題ない出来です。海外ゲームにありがちな国内ではいまいち話題となっていないような気もしますが、各キャラクターとのやり取りやストーリーテリングは面白いので、是非プレイしてみてください。

体験版もリリースされているので、基本的な部分は確認できると思います。戦闘自体はアビリティの増加やキャラクターの成長で間違いなく徐々に楽しくなっていくと思います。

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