ゴッサム・ナイツ レビュー
WB Games Montréal開発となるバットマンの世界を舞台とした「ゴッサム・ナイツ」のレビューです。
PS5版でのプレイレビューとなります。
「ゴッサム・ナイツ」の世界、魅力的なゴッサムシティ
本作は、バットマンで有名なゴッサムシティをオープンワールドとして構築された世界を舞台に展開されるゲームとなっています。ただし、バットマンが死んだ後、その弟子とも言える4人のヒーローがどう街を守っていくのかという点を描いており、ナイトウィング、レッドフード、ロビン、バットガールの4人が主役となります。
この4人のキャラはプレイヤーが自由に選択でき、拠点であればストーリーのどのタイミングでも変更することができるようになっています。
オープンワールドで構築されたゴッサムシティは4人のヒーローの活動時間が夜限定というのもあり、ライティング含めかなりバットマンらしくダークでありながらネオンなどで彩られた怪しく綺麗な町並みで十分魅力的であると言えます。
移動はグラップリングフックと滑空要素のおかげで非常に快適で、バイクという移動手段も存在します。
好印象なアクション面
バットマンの弟子ということもあり、エフェクト的な印象としては地味と捉えられなくもないと思いますが、個人的には非常に良くできている印象で4人のキャラクターそれぞれ基本的な操作は共通ですが、アビリティの存在もあって、かなりうまく差別化できていると感じます。
また、アクションのモーションが非常に豊富で敵との位置関係や壁の有無などでも同じ操作で異なるモーションが出たり等プレイヤーを飽きさせない工夫が感じられるのも好印象です。
いわゆるパリィやガードというものはなく、敵の攻撃は回避で対応します。
属性の概念もあり、敵勢力ごとに弱点属性もありますが、必ずしも弱点属性でないとダメージを与えられないというわけでもなくかつ属性の意味は十分あって素晴らしいバランスになっていると感じます。
レベルは4人のキャラクターで共通化されており、アビリティについても一部を除いて解放するのに必要なポイントは未使用キャラでもしっかり蓄積されている親切な設計です。
装備については敵のドロップによる取得が中心となり、装備そのものの場合と設計図の場合があります。基本は操作キャラ中心ではあるものの他キャラの装備や設計図も入手できます。
装備の外観も各キャラクターごとに15個ずつ用意されており、さらに頭、腕、胸のマーク、足の4箇所はそれぞれ3種ある異なるデザインに変更できる上にカラーも変更できるので、組み合わせはかなり豊富です。
欠けたストーリーテリング
本作を始めるといきなりバットマンが死んでプレイアブルキャラクターとなる4人の操作となりますが、この4人のキャラクター紹介がありません。例えば、ナイトウィングとレッドフードは元ロビンですし、バットガールは過去に下半身不随の大怪我を負っています。このあたりの各キャラクターのバックボーンに関する説明は全くなく、プレイヤーはコミックなどで知っているのが前提かのような形になってしまっているのは非常に残念な部分です。
ただし、ゲーム内のストーリー自体はそれほど悪くはなく、メインストーリー以外に有名なヴィランであるハーレイ・クインやフリーズなどは独立したクエストとして存在します。
バットマンファンにはお勧めできるゲーム
各キャラクターのバックボーンに説明不足な点があるために、バットマン、DCファンという方にはおすすめできる作品であると思いますが、そうでない人たちには明らかに不足するストーリー面での問題が本当に残念なところです。
PS5でも30fps相当になっていたり、本作の魅力のひとつであるマルチプレイ時に極端にフレームレートが落ちるなどの最適化不足もあり、ゲームとしての基本部分はよく出来ているだけに改善点は感じさせるゲームとなっています。
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