サイバーパンク 2077 レビュー

2020年最も期待された作品と言っても過言ではない「サイバーパンク 2077」のレビューです。

開発は、RPGというジャンルのハードルをとてつもなく高いところまで引き上げたウィッチャー3の開発でもあるポーランドのCD Projekt REDです。

PC版でのレビューになります。
コンソールで起こった問題については評価に含まれていません。

また、多少のネタバレは含まれますのでご注意ください。

戦闘・アクション

本作はファーストパーソンシューター、いわゆるFPSです。
銃を使うシューター以外にも刀、ナイフ、殴打など近接攻撃もあり、また、ハッキングでの攻撃も可能という仕様でで、キャラクターのビルドや好みに応じて好きな立ち回りが出来るようになっています。

この面では普通ですが、FPSに慣れていないプレーヤーを考慮してか、スマート武器というものがあり、一定の範囲内に敵を捉えておけばある程度自動で弾が追尾してくれる性能の武器もあり、なるべく多くのプレイヤーにプレイしてもらいたいという配慮のような気もします。
スマート武器が通用しない敵もいるので、この武器でFPSに慣れてという部分もあるんだと思います。

ハクスラ・ビルドとゲーム難易度

今作は武器・防具にハクスラ要素もあり、レベルアップなどでいわゆるスキルポイントのようなものを取得し、キャラの好みの能力を成長させます。すべての能力を伸ばすことが出来ないため、自分好みのプレイスタイルからキャラクタの能力を考えて伸ばす必要があります。

ただし、ゲーム難易度がノーマルの場合は、それほど気にしなくても問題ありません。
ハード以上になってくると急に敵が強くなるので、戦闘中の立ち回りやビルド、装備など考える必要が出てきます。
このあたりのバランスについては、実はWitcher3でも同様で、同作でも豊富なサブクエというのもありレベルがガンガン上がっていくため戦闘が楽になりすぎて無双感というか雑にプレイしてもどうにかなりますが、難易度をあげていくと、途端にビルドや装備・戦闘の立ち回りなど実は奥が深いということを知らされます。

能力値の割り当て画面
上記5つの能力値に対して、さらにパークが2,3種ずつあり、さらにそこから好みのパークをポイントを使って取得していく

世界観・ストーリーテリング・演出・そして没入感

メインストーリーのみだと、おそらく15時間から20時間ほどとウィッチャー3と比較すると非常に短めです。
サイドクエストはウィッチャー同様に、メインストーリーで絡みのあるキャラクターをより掘り下げるものから、世界観を描くものまで、非常に数が多くそれでいて内容も厚く、会話シーンなどの演出もしっかり盛り込まれています。

このCDPRお得意の細かな演出・描写がFPSであることと密接に関わっていて、三人称視点だと、どうしてもシーンの切り替わりが必要になってしまうところも一人称視点では、そのままシームレスに会話などのシーンに移行できるため、より没入感を感じられる要因となっていると思います。

多くの会話シーンでプレイヤーは視点の移動など操作が可能な場面が多く、そのプレイヤーの挙動に対してNPCの視点がしっかりついてくるなど、非常に作り込まれています。ウィッチャー3以降、会話シーンの演出面で頑張っている作品は出てきていますが、本作ではFPSというのもあるかと思いますが、さらに一歩進化しているように感じます。

美しいナイトシティ。高層ビルなど多くの建物があるが内部は入れるものは限定的。ただし、クエストが建物内で展開されることは多く、高層ビルの場合はエレベータで特定フロアに移動してからの展開が多い。

メインクエストとサイドクエストの連動

一応、マルチエンディングですが、その分岐点は1箇所のみです。

ウィッチャー3では、サイドクエストでの選択がメインクエストや世界情勢に影響を与えたり、メインクエストの選択がサイドクエストに影響を与えるなど、その関係が複雑でよくできていたのですが、サイバーパンク2077ではかなり簡略化されていて、そこは残念な点です。

ジョニー・シルバーハンドなどキャラの存在感

キアヌ・リーブスが演じることで有名なジョニー・シルバーハンドですが、非常によくできたキャラです。ある意味ずっと行動を共にすることになるのですが、最初はもうめちゃくちゃなキャラクターで言動など含めてよくわからないキャラクターなのですが、メインクエストだけでなくサイドクエストなどありとあらゆる場面で登場し、その細かな会話シーンの数々や判明していく事実などをえていく中で徐々にシルバーハンドの考え方がなんとなくわかるようになっていくのが面白いです。

また、その他様々なキャラクターと絡んでいくことになりますが、やはりサイドクエストで深掘りされるキャラクターに関しては、非常に個性が出ていてこの辺りのうまさもCDPRの得意分野といっても良いのかもしれません。

自室の窓際にたたずむジュディ。メインクエスト・サイドクエスト共に絡むキャラクターでロマンスの対象となる1人である。

素晴らしい作品

FPSに苦手意識がなくストーリーがしっかりしたRPGをプレイしたいという方には間違いなくお勧めできる作品です。

自分もどちらかといえば、一人称視点より三人称視点の方が好きですが、シューターとしては一人称でも問題ないタイプです。もっと言えば本作は確実に一人称視点であることが重要なゲームです。(ただし、個人的には一人称視点の近接戦闘は本作以外でも、面白くないと思っています。)

またサイバーパンクという世界観自体に特別思い入れがあるわけでもないのですが、本作の舞台となるナイトシティはその構造含めて本当によくできていて魅力的です。

グラフィックもかなり綺麗なので、ハイスペックなPCやPS5などの最新世代機でプレイするのをお勧めます。

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