三國志14レビュー

おなじみコーエーテクモSLGの14作品目です。

中国大陸を1枚マップで表現していますが、実際は細かいHEXで構成されており、部隊移動などすべてHEXに依存しています。
HEXにしたからこそ、土地の色塗り(要するに支配地域。収入などのベース)や兵站の供給を分断するなどのシステムが採用できたというのもあると思います。

細かな点で問題を抱える作品ですが、全体的には面白い作品です。

Steamの評価は気にしなくていいと思います。当初抱えていた一部のユーザーに出ていた起動しないなど問題(それもすぐに解決策が提示された)とそもそもスペックが足りていないユーザーによる評価なのでゲーム内容の評価にはなっていません。

AI

今のゲームはジャンル問わずある程度のリアリティが必要だと思います。
それが崩れるときにプレイヤーはがっかりします。

今作は部隊に対してあまり細かな指示は行えません。
10日ごとにある程度の指示を行い、それをベースに自動で各部隊が動きます。
よって「なぜそう動く?」という意味不明な挙動をすることがあります。

このAIの犠牲となっているものの1つが、賛否もある三國志ではおなじみの「一騎打ち」です。
自動で発生するのはいいのですが、いわゆる猛将が知将などにしかけたりします。当然武力差があるので、始まる前から結果はわかっています。

困ったことに例えば諸葛亮などの頭がよいで有名な武将ですら受けてしまいます。リアリティないですよね。
それこそ、諸葛亮ほどの人物ならば、一騎打ちを申し込まれてもうまく言葉で断った上に相手を逆上させたりぐらいのことはしそうなものです。

問題を抱えるUI

シリーズ全体を通してと言えますが、ニッチなジャンルになりつつあるSLGを初心者にわかりやすくという意味であらゆる部分で説明が足りていません。

画面によってマウスオーバーで説明が出たり出なかったり、説明が欲しい画面で出なかったりと改善の余地は多々あります。

また、今作、各武将に設定された個性というものがあり、それが非常に重要な要素なのですが、特定の個性を持った武将を探そうにも一覧からひとりずつ確認していくことしかできません。どうして検索機能を用意しないのか、意味不明です。

SLGというゲームを少しでも広めたいならば、この説明不足な部分や、使いにくいUIは解消した方がいいのではと感じます。

ひたすら兵糧を買う

結構、お金と兵糧の運用がギリギリでうまく回さないといけません。
このバランス自体はそれほど悪いとは思いませんが、ある程度の規模になるとひたすら商人から兵糧を買うゲームになります。一度の武将の行動で購入できる数に制限があるので、商人がいる都市では兵糧購入のコマンドを何度も実行することになります。これはすでにゲームではないです。
さすがにある程度発展した都市などからの収入は少し調整を考えた方がいい気がします。

川と船

中国大陸の形状をねじ曲げてまで太めに表現された長江ですが、ただの移動の難所(川が移動の難所というのもなんだかあれですが)というだけになってしまってます。同時に船という要素もあるのに、ほとんど死んでしまっています。

これはAIの問題でもありますが、船で(河で)戦闘が起きることがほとんどありません。

おそらく、この部分が解消できるかも知れない改善案としては港を関のような重要拠点として扱うことです。(全ての港ではなく一部だけでも)
関のように耐久は必要ないと思いますが、関のように部隊を抱えることができ、内政面でも、収入の大幅アップや商人の出現頻度アップなど、それなりのメリットを与え、港を取ることが重要な要素のひとつとして扱うことだと考えています。
川の両端に対面するようにあれば赤壁の再現もできるかも知れないですね。
(このゲームにはイベントにあの赤壁がありません)

サウンド

これは正直、判断が難しいところなのですが、ずっとひたすら同じBGMでプレイさせられているような感覚があります。
どこかの場面で変わっているのかも知れませんが、正直記憶にないです。
おそらくBGMの使い方が悪いのかそもそも種類が少ないのか。

地形

これはリアリティがあるかどうかという話ではなく、ゲーム性としてという意味ですが、天然の要害といわれる蜀のエリアなど本当によくできています。

今後に期待

ベース部分はよくできているのに、外交部分の手抜きっぷりや何のための要素なのか?と感じさせる部分など細部のバランスやゲーム性までしっかりと考慮されていない気がします。
ただし、こういうところは修正できる部分でもあると思うので、今後のアップデートに期待しています。

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