無線ゲーミングヘッドセット最高峰 『Arctis Nova Proワイヤレス』 レビュー

SteelSeriesより発売された無線ゲーミングヘッドセット「Arctis Nova Pro Wireless」のレビューです。

同じ機能を持つ、ソニー「INZONE H9」や「CORSAIR VIRTUOSO RGBワイヤレスXT」とも比較しつつレビューしていきます。

外観

デンマークの著名デザイナー ヤコブ・ワグナー氏が監修したデザインは、非常に素晴らしく、一部に金属も採用された外観は非常に満足度の高いものとなっています。
また、必要ないときにはマイクを収納できる機構もゲーミングヘッドセットらしくない外観に寄与していると思います。

機能面

本製品の一番の特徴はUSB-Cによる入力が2つあるという点です。
ただし、勘違いしていけないのはUSB-Cに接続した機器のサウンドを同時に取り込めるというわけではないという点です。

旧機種となるGameDACではUSBと光接続によって同時サウンドを取り込めましたが、本製品では、この役割は無線＋Bluetoothという仕様に変化しています。
これは、近年発売される無線ゲーミングヘッドセットの多くが採用している仕様です。

2つのUSB-Cの切り替えはワイヤレスベースステーションによる操作のほか、電源が入っている機種が片方であれば自動で切り替わります。

マイクはカップ部に収納が可能ですが、収納＝ミュートになるわけではありません。
マイクミュートはカップにボタンが存在します。

音質（2.4GHz無線接続）

フラット寄りの音質で若干、中音が抑え気味の印象です。

「Arctis Nova Pro ワイヤレス」と同じく2.4GHz無線とBluetoothによる同時接続をサポートした製品であるソニー「INZONE H9」（レビューはこちら）、「CORSAIR VIRTUOSO RGBワイヤレスXT」（レビューはこちら）と比較すると明確に音作りに違いを感じるのが「CORSAIR VIRTUOSO RGBワイヤレスXT」です。

音場の表現としてはかなり近いところで音が鳴っている印象で、「CORSAIR VIRTUOSO RGBワイヤレスXT」は音場がかなり広く感じ、「INZONE H9」と「Arctis Nova Pro Wireless」は音場はあまり広く感じませんが、「Arctis Nova Pro Wireless」のほうが「INZONE H9」よりも音場は広いかなという印象です。

「CORSAIR VIRTUOSO RGBワイヤレスXT」と比べれば派手なサウンドですが、低音や高音が潰れて聞こえなくなっているということはなくしっかり鳴っているのが確認できる非常に上質なサウンドだと思います。

アクティブノイズキャンセリングが搭載されていますが、それほど強力なものではなく、エアコンの音程度であればかなり小さくなります。

マイク

マイク音質に関しても無線ヘッドセットとしてはかなり上位の部類だと感じます。
また、2.4GHz接続とBluetooth接続による差もほとんどないように感じ、間違いなく「INZONE H9」よりも音質はいいです。

マイクはノイズキャンセリングマイクとなっています。

バーチャルサラウンド

旧製品となるGameDACではDAC側でサラウンドとして「DTS Headphone:X v2.0」を持っていましたが、本製品ではPC接続でSteelSeriesのソフトウェアである「Sonar」を導入したときのみ有効にできます。これはおそらくソフトウェア側でサラウンド処理を行っていると考えて間違いないと思います。

PS5環境では、PS5純正となる「Tempest 3Dオーディオ」、Xboxでは「Spatial Sound on the Xbox Series X|S」によるバーチャルサウンドになります。

まとめ

相変わらず傷がつきやすそうなDAC部の素材だったりと弱点がないとまではいいませんが、些細な問題で音質・機能いずれの面から見ても非常に優れた製品で、ゲーミングヘッドセット最高峰の製品といっても間違いないと思います。

また、バッテリーを交換できてかつ片方をワイヤレスベースステーションで充電できるという本製品の特長である「Infinity Power System」は、自分が想像していたよりずっと便利です。

稀に音の再生がバグる現象が出ているのですが、ファームウェアアップデートなどで修正されるのではと期待しています。（無線環境が影響しているようです）