「鳴潮(Wuthering Waves)」 レビュー
本サイトでは珍しいガチャがあるゲーム『鳴潮』のレビューです。
本作は、オープンワールドアクションとなります。
バージョン1.0時点でのレビューとなります。
本作は運営型タイトルなのでアップデートで変化していくという点をご理解ください。
ストーリー・世界観・演出
本作の問題点の一つ、専門用語と漢字の多用が挙げられます。
主人公である「漂流者」が最初に出会うキャラクターが「熾霞」と「秧秧」です。
また、出会ってすぐの会話で出てくるワードも本作独自のワードが多く、その多くが理解できません。
これでは没入感という意味では入りにくいものとなってしまいます。
ただし、最初こそ意味不明な感じなのですが、主人公が記憶喪失という設定もあって、徐々にストーリーの方向性は明確になっていく印象があり、あまり気にならなくなると感じました。(もちろん最初からわかりやすいワードの方がいいとは思います。)Ver1.0の段階ではまだプロローグという印象はありますが、盛り上がりポイントも用意されています。
カットシーンもしっかりと豊富に用意されており悪くはないですが、主人公がほとんど喋らないのが逆に気になってしまいます。全く喋らないというわけではなく、僅かにですが話すシーンもあるので、こういう中途半端なことをするぐらいなら、普通に話す演出にしてしまった方が没入感が増すと思います。
中国がモチーフになっているためか、キャラクター名含め漢字が多用されるのですが、日本人にとっては馴染みのある使い方ではないというのもあり、このテキストなどで感じられる中国モチーフが本作自体の特徴でこのまま続くのか、現在のストーリー展開上、今は中国モチーフで今後エリアが拡大・ストーリーの舞台が変化していくことで変わることになるのかはわかりませんが、字幕やUIなど多くの部分にフリガナは最低限必須だと思います。
一応、漢字でなくカタカナのキャラクターも出てきており、出身地が現在の舞台ではないキャラクターもいます。
よくできたアクション面
本作の明確なストロングポイントの一つ、アクションです。
本作は3人でパーティーを構成し、操作は一人ずつ、キャラクターを切り替えながら戦っていくというアクションになっています。
キャラクターにフォーカスすると、キャラごとに異なるゲージとスキル、いわゆるウルトに相当する派手な演出がカットインされる「共鳴解放」という強力な攻撃、さらに変奏ゲージというものがあり、ゲージがMAXの状態でキャラクターを切り替えると退場するキャラと切り替えて入ってくるキャラクターそれぞれが特別なスキルを発動するという要素が存在します。このスキルが登場するキャラクターにバフ効果を与えるものから単純に攻撃するキャラクターまでバリエーションがあり、編成の面白みを与えています。対応プラットフォームにスマホが含まれるためか回避など緩い判定もあり、アクションとしてはかなり入りやすい仕様になっていると思います。
また、アクションが得意な方にも各キャラクターのシナジーなどを考えて編成したり、アクションの仕様などを考慮に入れて最適なスキル回しを目指すなど、奥深さも感じます。
エンドゲームと報酬面の問題点
現時点では、やり込み要素としてキャラクター能力に直結する音該という厳選要素が存在します。
音該は、5体までキャラクターに装備させることができ、ステータスとして攻撃やクリティカル率アップなどキャラクターを飛躍的に強くする能力がランダムで付与されます。
ただし、音該にも育成要素があり、現状では厳選するほど豊富な素材の供給がないという問題が起きています。開発側も認識しており、改善を予告しているので徐々にいい方向に行くのではと思います。
もう1点気になるのは、エンドゲーム寄りのコンテンツについて、今のところ報酬が消費系素材とガチャに使えるアイテムが少しという感じで、
一般的なゲームであれば、エンドゲームでのみ得られる特別なアイテムなどがあったりしますが、本作ではそのようなものが一切ないというのが気になるところで、どうもモチベーションに繋がりにくいのではと感じます。
翻訳の問題
上記に記載したように漢字が読めないという問題とは別に翻訳の質に問題を抱えており、課金アイテムにも誤訳が発生してしまう状況となっています。この点に関しては擁護のしようがなく、かなり優先度高く改善していかないといけない部分だと思います。
この状態が続くと、ユーザーは確実に離れていくことになります。
今後も見守っていきたいと感じる作品
ゲーム内で排出されるガチャ素材もそれなりに多く、ガチャ課金をしていないですが星5となるキャラクターや武器もいくつか所持できています。序盤のストーリー面こそ難解でとっつきにくいですが、アクション自体はよくできており、じっくりプレイしていく分にはいい作品だと感じています。
もちろん一気にキャラをすぐに最強に育てたいとかになるとガチャで相当な金額を課金するしかないですが、そうでもなければ、シーズンパス的なものなど微課金でも全然プレイできます。
運営型タイトルでまだリリースされて1ヶ月ほどで、もうまもなくver1.1の公開となります。開発側が認識している問題点のいくつかも改善が約束された状態と開発側の熱意も感じる部分もあり、個人的にはしばらく見守っていきたいと感じる作品だと考えています。
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