CORSAIR VIRTUOSO RGB ワイヤレス XT レビュー
2.4GHz無線である「SLIPSTREAM WIRELESS」とBluetoothによる同時無線接続を実現し、非常に綺麗な外観が特長のCORSAIR(コルセア)製ゲーミングヘッドセット「VIRTUOSO RGB ワイヤレス XT ハイファイゲーミングヘッドセット」をレビューします。
外観と機能
まずは、本製品の特長のひとつである外観ですが、実物でみてもかなり美しいフィニッシュとなっており、所有欲を満たす素晴らしい外観です。
2.4GHz帯である「SLIPSTREAM WIRELESS」とBluetoothによる同時無線接続をサポートしており、さらにUSB、3.5mmアナログ接続にも対応しています。
ヘッドセット右ハウジングには操作系ボタンが、左ハウジングにはUSB-Cやマイクなど接続系端子が集中して実装されており、うまく整理されている印象です。
右ハウジングには、2.4GHz・USB接続用のボリュームとBluetooth用のボリュームが別々にあり、それぞれ独立して調整が可能です。
ヘッドバンドもイヤーパッドもクッション性が高いのですが、側圧はかなり弱めでほとんどホールド力はありません。(この側圧が問題点となります。)
イコライザーやサイドトーン、マイクボリュームなどの機能の設定にはPCへの接続が必須でiCUEソフトウェアで設定が可能です。一度設定してしまえばヘッドセット本体に記録されるようで、PS5に接続してもiCUEで設定した内容は有効なままです。
マイクのON/OFFやサイドトーン(側音)・バッテリーの状態は英語音声でガイドが流れます。
またサイドトーンに遅延はありません。
音質
始めに記載しておきますが、音質を確認するのにとても大きなトラブルとなってしまいました。
第一印象では、フラットではなくかなり高音寄り、音がかなりスカスカな印象で、今まで購入してきたヘッドホンの中で最悪の音質で、かなり戸惑ったのですが、原因は前述した側圧の弱さにありました。
自分は頭が小さいのもあり、本製品の側圧では頭とイヤーパッドに隙間が出来ている状態でした。当然側圧が弱ければホールド感は劣ることになり、正確なサウンドを得ることは難しくなります。頭が小さい方には要注意です。
改めて、上記の状態に気付き、少し手で押さえてあげることでしっかり本製品のサウンドを確認できましたので、レビューしていくと、高音寄りの音作りで低音は弱いです。全体的に解像度は高くクリアな音質で、特に高音はきらびやかに表現できており、非常に美しいです。低音自体も抑えめなのは間違いないですが、重く感じない程度には表現されており全体として良好な音質と評価しても問題ないと思います。
同じ無線接続となるASTRO A50(レビューはこちら)と比較すると低音はASTRO A50の方明らかに強く、高音はVIRTUSOSO WIRELESS XTのほうがクリアで綺麗で、全体としてはVIRTUSOSO ワイヤレス XTのほうが音はクリアで綺麗。低音と迫力のある鳴り方をするのがASTRO A50という印象です。
音場や空間の表現も悪くはなく、極端に音の距離が近いとか不自然な印象はありません。
USB接続と無線で音の傾向に変化はありませんが、3.5mm接続はかなり音質が悪くなります。
SLIPSTREAM WIRELESSによる無線接続とBluetoothの同時接続
この製品の特長のひとつである、2.4GHz帯である「SLIPSTREAM WIRELESS」による無線接続がベースとなるわけですが、それとBluetoothによる無線接続を同時に使用することが可能です。
ただし、Bluetoothによる接続を検知すると2.4GHz帯(要するにゲーム側)の音量が自動で下げられてしまいます。
本体には2.4GHz帯のボリュームとBluetooth接続側のボリューム調整があり、それぞれ独立した調整が可能ですが、2.4GHz帯のボリュームダウンは、ヘッドホンボリュームの設定値と連動しているわけではないので、ゲームサウンドは2.4GHz帯、ボイスチャットはBluetoothでという使い方は想定していないと思われます。ボリュームが下げられるといっても聞こえないレベルまで落ちるわけではないのですが、このBluetooth接続時にも2.4GHz帯のボリュームを落とさない設定を「CORSAIR iCUEソフトウェア」で出来ればChatmix的なことが出来ることになるので、機能追加してほしいところです。
Bluetooth接続時のマイクサウンド自体は問題ありません。ただし、おそらくBluetoothの仕様によるものだと思いますが、マイク有効時はBluetooth接続側の音質はかなり落ちるので音楽の再生などは厳しいと思います。(ボイスチャットレベルであれば十分な音質です。)
側圧弱い問題の解決
ヘッドホンの形状的に円を描くことから、通常、頭が大きい方の方が同じ製品でも側圧を強く感じることが普通です。
本製品で側圧が弱いと感じるのは自分の頭が小さいことが本製品と相性の悪い要因であるのは明らかで、頭のサイズ次第では、快適な着け心地という印象を持つこともあるかと思います。(とはいえ、さすがにちょと弱すぎないかと個人的には思いますが・・・)
では、どのように解決するかというとこちらのようなアイテムを取り付けました。
本来は”交換用”ヘッドバンドなのですが、これをそのままヘッドバンド下部に装着することで擬似的に頭のサイズを大きくし、より最適に近い側圧を得られるようにしています。
まとめ
外観や音質面に不満は全くありません。
側圧が弱すぎると感じる点や、Bluetooth接続時に2.4GHz帯のボリュームが下がってしまうのが強制になっている点は残念なところです。側圧については解決策があるものの、2.4GHz・Bluetooth同時接続時のボリュームについては、iCUEソフトウェアで設定が可能となってくれればかなり満足感のある製品となり、現状「おしい!」という印象です。
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