Dead Space(リメイク) レビュー

2008年開発となるオリジナルのリメイク作品、Motive Studio開発SFホラーTPS「Dead Space」のレビューです。オリジナルは未プレイなので、比較はできません。2023年のゲームとしての細部を見ていきたいと思います。

没入感の重視を感じる設計

本作、光と影の表現などグラフィック面は間違いなく現代的なゲームレベルといえると思います。

また、なるべくUIを廃したデザインになっているのも没入感という意味では素晴らしい設計と言えます。

ゲーム画面。UIがない。背中に体力ゲージと特殊攻撃のゲージ。「13」は使っている武器の残弾数。

若干の理不尽さと古さを感じる環境・レベルデザイン

本作の舞台は宇宙船ということで、かなり明暗のハッキリした環境となっており、ほとんどの場所が暗く視認性が悪い中で小さなモンスターに襲われることもあります。また、一本道の箇所で突然前方からモンスターが出現するなどホラーゲームにありがちな場面もありますが、その際プレイヤーの後ろにもモンスターが同時に出現していることもあり、本作ではミニマップなどはないので、攻撃されるまで気付かないという状況もしばしば見られます。本作のモンスターはヘッドショットなど1発で倒せる要素がないため、かなりゲームオーバーに近い状況となります。

明暗のハッキリした本作。暗い場所は本当に真っ暗になる。

このあたりの理不尽さは現代的なゲームというには少し厳しい印象があります。

また、一定周期で吹き出る炎のタイミングを見計らって進んでいくなどのギミックも古さを感じる部分でした。

幅の狭さを感じるアクション・操作

本作はTPSなので、基本的には銃で攻撃するシューターとなります。銃の種類自体はいろいろあるのですが、大きく差別化出来ているとは言い難い仕様です。

また、主人公は宇宙ということもあり重そうなアーマーを装備しているため、動きが重めで回避など防御に関する操作システムは存在しません。そのため、敵の近接・遠距離攻撃も遅めの移動で回避するしかありません。アビリティ的な存在として、オブジェクトの重力を操って投げ飛ばしたり、敵の動きを遅くするというものがありますが、アクションの幅を広げていると言えるのは、これらのみでかなり限定的なアクションと感じます。

メニューUI。デザイン自体も世界観にマッチしたもので、どこか古さを感じるものになっている。

盛り上がりに欠けるストーリー

本作は「USGイシムラ」に訪れる(救助)ところから始まりますが、終始「USGイシムラ」の何らかの装置が壊れているので、修理や別の方法で稼働させるなどのミッションが続き物語が大きく進行した感じがありません。

サイドクエストも存在しますが、受注時点では進行できないものも多かったりメインストーリーの進行上に目的地が存在するなど、幅を広げられている印象はありません。

ゲーム進化を感じられるリメイク作品

オリジナルのどこを大切にしリメイクするというのは非常に重要な部分だと思います。
ただ、それが現代的なゲームとしての基準に満たないなら変えてしまってもいいのではないかと考えてします。

高く評価されるゲームの進化というものを逆に感じられる作品でした。

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