DEATH STRANDING(デスストランディング)レビュー

海外国内含めて賛否両論となっているデスストランディングのレビューです。
(※バージョン1.05時点でのレビューとなります)

小島監督の作品ということで期待されていたかとも多いかと思います。
自分は過去に小島監督の作品をプレイしていないため、この部分で発売前から期待値という意味でメタルギアをプレイしていたユーザーとは異なると思います。

正直、ゲームの具体的な部分がよく見えずにあまり期待していませんでした。

このゲームはオープンワールドで配達するゲームです。
オープンワールドで配達と言われるとあまりいい意味では使われない「おつかい」というワードが連想されてもおかしくないと思いますが、このゲームでは、その「おつかい」をいい意味でうまくゲームシステムとして落とし込んでいると感じました。

それは重量やバランス、地形など、通常のオープンワールドゲームでは考慮されない部分をうまくゲームとして成立させています。

当然同じことをやっているとプレイヤーは飽きてきてしまいます。

ある程度進めると、国道とトラックという荷物を大量且つ素早く運搬する手段やシップラインなど多くの装備・建築物が出てきたりなどで単純に荷物を運ぶだけでなく、どのように自分の配達網を構築していくかという楽しみも出てきます。

また、国道やトラックになれた後半には雪山という地形の登場でまた違った体験をもたらしてくれます。

戦闘面では、ミュールという敵やBTといわれるいわゆるモンスターなどとの戦闘があります。武器などもある程度の種類があるとはいえ、それほど奥深いものとは言えないです。この点に期待するのは少し違うかなという印象です。当然これらの敵も配達の障害となるので、どう対処するのかという点も重要となります。

このように配達網の構築や配達に伴う様々な障害を楽しめるかどうかがゲームシステムとしての評価に繋がると思います。この部分ではいままでにないゲームと言えると思います。

ただし、駄目な点も多く見られます。

まずは、ゲーム最初の2〜3時間です。
何度か主人公であるサムを操作できる状態になるのですが、ストレートに目的を達成してしまうと15分ほどののプレイ時間となります。
このプレイ時間以外は、ひたすらムービー・カットシーンが続きます。
ここについては、ストーリー上非常に重要なのは間違いがないのですが、もう少しバランスをどうにかできなかったのかと感じます。

また、プレイヤーの操作の多くにカットシーンが挿入されます。このカットシーン、ほとんどのものがスキップできるのですが、何度もスキップしないとキャラ操作ができる状態にまでスキップできないということもあり、非常にストレスを感じる箇所です。

最悪なのは、BTと呼ばれる普通には見えない敵の生息エリアに侵入したときで、スローモーションになるという演出であることも加えて、スキップもできないため非常にイライラさせられます。
また、BTの生息域はほぼ固定な上、ゲームシステム上何度も同じエリアを往復することになるので、その頻度もかなり多くなります。

世界観はよく出来ていると思いますが、ストーリーテリング自体も少し構成に問題を抱えていると感じます。

チャプターごとにフィーチャーされるキャラクターが設定されているのと全体的なストーリーとゲームの進捗がうまくリンクしているとは言いがたい場面もあります。正直、物語本筋の大きな進行は、最初と終盤に集約されている印象です。

プレイヤーに無意味なストレスを与える部分もありますが、ゲーム部分やグラフィックはよくできており、意欲と挑戦を感じる作品でもあります。

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