Far Cry 6(ファークライ 6)レビュー
UBISOFT開発のナンバリングとしてはシリーズ6作目となる「Far Cry6」。前作となる「Far Cry 5」「Far Cry New Dawn」などとの比較も交えながらレビューしていきます。
演出やストーリーテリングの強化
本作では性別の選択こそできるものの「ダニー・ロハス」という明確な主人公を設定したことにより、前作「Far Cry 5」や「Far Cry New Dawn」などではほとんどなかった、カットシーンによる演出がメインストーリーの要所では入ります。
前作までは、ほぼどのシーンも一人称視点で展開されていたことを考えると大きな変化です。
ただし、主人「ダニー・ロハス」の存在感が大きいかと言われるとそんなことはなく、これはシステム的な影響もあるかもしれませんが、基本的にNPCに依頼されてから行動に移すというパターンで、ダニーの意思で起こした行動によるストーリーの展開はほとんどないのが要因だと思います。これによりストーリー自体も若干淡泊になっている印象があります。
本作ではビークルに乗車中にラジオが聴けるのですが、そのラジオにあわせて主人がひとりカラオケしてくれる演出は他作品での経験がないもので新鮮でした。(英語音声で確認)
ワールド・ビジュアルデザイン
本作の舞台は南米・ラテンを感じる「ヤーラ」という仮想国家とレジスタンスとの対立を描く作品です。ワールド・キャラクターデザイン・ビークルなど、ビジュアルデザインでは構築に成功していると感じます。
システム面
パークなどのキャラクター自体の成長要素がなくなってしまいました。その代わりなのか、前作では外観を変えることでしか機能していなかった服装・装備に効果が付与されており、そこでビルドの違いを出す形になっています。
ただし、やはりキャラクターの成長要素がなくなってしまったのでシンプルにしすぎなのではと感じます。
また、前作「Far Cry 5」では「ガンフォーハイヤー」としてプレイヤーと同行させることが可能な人がいましたが、本作「Far Cry 6」では動物のみとなってしまいました。
それほど役に立つような存在でもないので影響は小さいですが、ゲームとしてのシンプル化のひとつだと思います。
アクティビティ
前作から特に変わった印象はありません。安定のアクティビティと捉えるか、マンネリと捉えるかは人それぞれになると思います。
クリア後には「反乱」というアクティビティが用意されていますが内容は本編でやることと変わらず、特定なエリアの建物などが占拠されるので、それらを解放していき、特定のNPCを倒すというのが目標となっています。
また、今後アップデートでいろいろ追加される予定のようです。
アクション・シューター
過去作からの変化で、「スプレーモ」と呼ばれるバックパック型の武器に「リゾルバー武器」という火炎放射器や電撃などを射出する、変わった武器が登場しています。特に「スプレーモ」については、過去作との差別化という意味が大きいのではと感じるもので、一度使用すると次は一定時間クルータイムが必要となる一撃必殺の攻撃となっています。
「スプレーモ」もバリエーションがあり、ミサイルを射出するものから、キャラクターの周りを延焼させるもの、EMPなどといくつか用意されており、状況やプレイスタイルなど好みで変えることが可能です。
ファークライシリーズとしての今後
ナンバリングだけでも6作目にもなり、前作5と比較してもそれほど大きな変化を感じない本作「Far Cry 6」ですが、成長要素がなくなるなど全体的にシンプルにしすぎと感じる部分もありながら、多くの要素が綺麗に纏まっている印象ではあります。
良くも悪くもUbisoftのオープンワールドゲームという感じで、そろそろシリーズとして違う形(大きな変化)を考えないといけないのではと感じられる作品でした。
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