GRANBLUE FANTASY: Relink(グランブルーファンタジー リリンク) レビュー

長期間にわたる開発を経てついにリリースされたGRANBLUE FANTASY: Relink(グランブルーファンタジー リリンク) のレビューです。
紆余曲折も感じる株式会社Cygamesによる開発でスマホアプリについては未プレイの状態でレビューします。

自分の操作がダイレクトに反映される気持ちのよいアクション

本作最大の魅力、アクションですが、非常にさわり心地のいいアクションになっています。
要因の一つが回避とガードともに行動をキャンセルさせることができ、即発動となっている点だと思います。例えば回避は3回連続まで(ジーンによる強化が可能)という制限はあるものの、自分の操作にダイレクトに反応してくれるというのは非常に気持ちがいいです。本作の特殊な点の一つがガードも非常に有効に使えるという点で、連続で防げるダメージの上限はあるものの、ほとんどの攻撃がガードできるという特徴があり、これも直前行動をキャンセルできるので非常に使い勝手のいいものとなっています。

また、多くのプレイアブルキャラクターがいますが、差別化もかなりいい感じでされており、多少の強弱というものはあるものの、どのキャラクター使ってもクエストなどのクリアに問題がないバランスの良さという点も優れている点と言えます。

快適なプレイに寄与している優秀なNPC

パーティーで冒険を進めるタイプのゲームはいろいろとありますが、多くのゲームで自分がプレイする以外のキャラクターはあまり有効に動いていないことが多いですが、本作の仲間キャラクターはかなり優秀です。敵の攻撃に対する回避などの挙動やギミックに対する対処など当然100%回避するというわけではありませんがそれなりにしっかり対応しているくれるような仕様となっており、攻撃もそれなりに積極的におこなってくれるので、この点でも本作の快適性に寄与している実装になっていると感じます。
特にアクションが苦手というプレイヤーには、重要な点だと思います。

濃厚な体験ができるメインストーリー

本作のメインストーリーの進行はいわゆるステージクリア型の一本道となっており、いくつかのエリアで少し移動や雑魚敵、宝箱などのちょっとしたアクティビティが配置されたエリアが用意されていますが、オープンワールドほどの広さではなくコンパクトなものとなっており、それゆえに怒濤のごとく次から次へとボス戦やストーリー進行などが展開されていきます。クリアまで10〜15時間ほどと現代的なゲームとしては短めではありますが、この展開の早い進行により、濃厚な体験が得られるようになっています。

ただし、ストーリー自体はストレートにファンタジーなものとなっており、対象年齢などもあるのだとは思いますが、たいしたひねりもなく展開されていくため、物足りない印象は拭えません。

エンドコンテンツが抱える問題点

メインストーリークリア後は一応エピローグが用意されています。
ここからは、クエストカウンターにてクエストを受注してひたすらボスなどを倒していきランクを上げ、更なる難易度のクエストに臨むというループとなっていきます。
ただし、このクエストで戦うボスのほとんどがメインストーリーと同じというのはかなりさみしい点と言えると思います。
難易度の向上で多少攻撃パターンが増えたり等はありますが、もっとバリエーションが欲しかった点です。
1戦あたりの時間は短めなので比較的テンポよくこなしていけるのはいい点です。

また、本作のキャラクター強化の一つに最大で12個まで装備できる「ジーン」というものが存在します。
本作には攻撃ごとに上限ダメージが設定されており、「ジーン」にはその上限を上げる効果のものもあります。これがくせ者で当然ダメージをあげるためには上限をあげざるを得なくなり、結果として12個の内4つをこの「ダメージ上限ジーン」で埋めるという状態になっています。ダメージ上限の存在がゲームバランスをとる上でやりやすくさせているとは思いますが、このダメージ上限の存在でキャラクターが持つダメージアップ系のスキルが実質的に死んでしまっている点は気になります。

装備画面。武器とジーン12枠

不安定なオンライン

本作はオンラインプレイに対応しており、クエストごとにマッチングしての臨むことも可能です。
1クエストあたりに時間が短いのもあり、気軽にマルチプレイが出来る仕様にはなっていますが、そのオンラインプレイが非常に不安定なのが発売から1ヶ月経過しても解消されていません。クエスト前に事前にフレンドなどとパーティーを組んでも即落とされたり、クエスト中に落ちたりなど、安定してプレイ出来るときもありますが、駄目なときは何をやっても不安定な状況です。

この点に関しては明確にマイナス点と言わざるを得ない状況で、せっかくいい作品なのに、もったいないなと感じます。

原作スマホゲーム未プレイ勢には不足する各キャラクター描写、関係性

本作ではオープニングから主要キャラクターは合流した状態ですし、その他のキャラクターは「解放チケット」を使って使用可能にするという実装なので、各キャラクターの掘り下げというのはほとんどできていません。クエストカウンターにて「フェイトエピソード」というものが各キャラクターごとに用意されており、そこで団長{いわゆる主人公)との出会いなどが説明されていますが、一部のみシンプルな操作を要するクエストになっているだけで基本、テキストで展開されるものとなっており、物足りない感はあるかもしれません。ここがしっかりとしたクエスト形式のものになっていれば本作全体のボリューム感はまた変わって見えるとは思いますが、それが本作にとってプラスと言えるものなのかどうかはは判断が難しいところだと思います。

テキストとボイスのみで展開されるフェイトエピソードの画面

シンプルなゲームながら濃い体験のできるゲーム

原作となるアプリ版未プレイでも全く問題ありません。
いろいろなキャラクターを触ってみても楽しいゲームですし、アクションも非常に楽しいので、間違いなくおすすめできる一本となっています。

アクションが苦手という方にもメインストーリーぐらいの範囲でならアシスト機能もありますのでクリアまでなら問題ないです。ただ、メインストーリーだけ体験するというのは本作を購入するのにはもったいないので、少しずつアクションに慣れていって本作の素晴らしいアクションの楽しさを感じられるようになればと思います。

Cygamesが今後リリース予定としているゲームについても期待してしまう完成度のゲームです。

アニメ調のグラフィックだが、ディティールは作り込まれており、非常に綺麗なグラフィックです。

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