Horizon Forbidden West レビュー

前作「Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ ドーン)」の2作目となる「Horizon Forbidden West(ホライゾン フォビドゥンウェスト)」のPS5版によるレビューです。

前作および、DLC「Horizon Zero Dawn: The Frozen Wilds(凍てついた大地)」はプレイ済でのレビューとなります。

「Horizon Forbidden West」レビューの重要点

本作は前述の通り「Horizon Zero Dawn」に続く2作目となっており、またそのストーリーも前作から半年後とかなり連続したストーリーとなっています。

また、ホライゾンシリーズはそのストーリーが魅力のひとつでもあるので、評価に当たって世界観・ストーリーへの理解というのは非常に重要な要素となり、前作未プレイので評価というのは、本作にとってあまり意味をなさないものと考えています。

序盤カットシーンより前作ではあまり出番がなかった「ヴァール(左)」との会話シーン

オープンワールドゲーム史上、最高のグラフィック

本作のPS5版でのグラフィックはとても素晴らしく、起動直後のタイトル画面からその高次元なグラフィックによる表現が体験できます。これほど綺麗なグラフィックのゲームはPC含めても最高と断言できるレベルのもので、オープンワールド上のオブジェクトの緻密さ、そのテクスチャレベルの高さ、光の表現など、登場人物の表情、そのアニメーション、着ている服装のディティールの高さ、とにかくすべてが素晴らしい表現となっています。

序盤カットシーンより、中央の主人公「アーロイ」はもちろん、両サイドのNPCの装備やフェイスなどディティールの細かさが素晴らしい。
雪原の表現力の高さを感じられる1枚

アクション・戦闘面

基本システムは前作を踏襲しているため武器の多様さを含めて、よく出来ていると思います。
結構序盤の方から基本となる弓以外の多様な武器も解放されていくので、幅広い立ち回りが可能でキャラクターの成長に伴うアビリティによる拡張や近接攻撃の拡充など前作からの正統な進化と言えると思います。

ただし、2作目ということもあるのかもしれませんが、前作よりは若干難易度は高めとなっている印象です。

ストーリー・演出

前作では主人公アーロイの出生の謎からなぜあのような機械獣が闊歩する世界となったのかも含めてゲーム内テキストなども活用しつつ、うまくストーリーテリングしていました。若干キャラクターにフォーカスしすぎと評価されていたカメラアングルも引きの絵になったりなどよりバリエーションが増え改善されたカットシーンなど前作以上に丁寧によくできています。

前作では、アーロイ出生の秘密というのがひとつストーリーのテーマとなっていたため、アーロイ自身にスポットが当てられることとなりましたが、本作では、そこがほぼ判明している状態ということもあり、ある意味王道的な「世界を救う」ストーリーになっているという違いがあり、その点では好き嫌いが出てくる可能性はあります。

ただし、その内容は、異端者として扱われていたアーロイが前作での出来事により救世主として扱われることに対する周りの人々の接し方の変化に戸惑う様子や、前作から引き続き登場するキャラクターとの絡みなども増えており、より大きな脅威に立ち向かうアーロイを中心に素晴らしいストーリーとなっています。

終盤に訪れる廃墟。作り込みのすごさを感じられる1例。
NPCの服装その2。よく見るとかなり細かいテクスチャが設定されているのがわかる。ちなみにこのキャラクター「ティルダ」を演じるのは、マトリックスなどに出演されている「キャリー=アン・モス」さん。前作から引き続き「サイレンス」を演じるランス・レディックさん(ジョン・ウィック」シリーズなどに出演)も登場します。

改善点はないのか?

本作では、高所からの滑空を可能にする「シールドウイング」や高所への素早い移動を可能にする「プルキャスター」など移動に関するアイテムの追加により高低差のあるオープンワールド空間において快適な移動が可能となりました。ただし「プルキャスター」については、使用箇所がかなり限定的で、基本的に自然の崖ではほとんど利用できません。本作では一部の施設等ダンジョンでは移動によるアスレチック要素がひとつのアクティビティとなっているのは理解できるのですが、そういう設計されたアクティビティを除いた箇所でももっと利用できる機会を多く設けて欲しかったです。要するに現状、下降に関しては非常に快適ですが、登るなど上昇という意味では制限がかかった状態となっているわけです。

また、クエストなどアクティビティをこなす前からその結果得られるものがわかってしまうというのがもったいないと感じます。
「そこに何があるんだろう?」という期待感やわくわくする感じが得られないと感じています。
これはプレイヤーが最も求めることとなる装備の多くが店売り(NPCによるゲーム内通貨での取引)となっているという点も一因だと思います。
せっかく、森林、降雪地帯、砂漠、荒れ地などパターンも多く細部に優れた魅力的なオープンワールド世界が構築されているのに、冒険感が薄いのはもったいないと感じます。

最後に

とてつもなく美麗なグラフィックと魅力的な世界・オープンワールド・ストーリー、そしてアクション面も多彩な武器をはじめ、迫力のある機械獣などとの戦闘を体験でき着実な前作からのアップデートと素晴らしい作品となっていると思います。ただし、前作も同様ですが、他メーカーの大作と発売日が近かったのはどうにか出来なかったのかと思ってしまいます。

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