ソニー INZONE H9 レビュー(基本機能&PC接続編)
ソニーの新しいブランド「INZONE」よりリリースの「INZONE H9」のレビューです。
発表時に相当派手にYoutuberを使ったプロモーションを行っていたので、存在はご存じの方も多いと思いますが、「INZONE H9」同様に無線・Bluetooth同時接続と機能的に似ている「CORSAIR VIRTUOSO RGB WIRELESS XT(レビューはこちら)」とも比較しながらレビューをお届けします。
機能面などハードウェア比較
まずは、外観ですが、「INZONE H9」は、PS5を意識したカラーリングなのは別に悪くないのですが、ほぼプラスチックで構成された質感は表面にかなり細かなテクスチャが施されているとは言え、金属かつそのフィニッシュも美しい「VIRTUOSO XT」と比較してしまうと価格相当とは感じない部分だと思います。
直接的にサウンドに影響があるわけではありませんが、「VIRTUOSO XT」のほうは50mmのスピーカードライバーで「INZONE H9」は40mmです。また周波数特性についても、「VIRTUOSO XT」は20Hz – 40kHz(特徴のひとつでもあるのですが)で「INZONE H9」は5Hz-20kHzと違いがあります。
装着感としては、側圧は弱めなので、頭が小さい方は合わない可能性がありますが、イヤーパッドは特に問題点は感じません。ヘッドバンドにもクッションがあるので頭頂部が痛くなるということは今のところありません。
「INZONE H9」で気になるのはイヤーパッドで、おそらく交換不可な仕様になっていると思います。
イヤーパッドは消耗品といえる部分なので、この仕様は大きくマイナスポイントと言える部分です。
(公式での販売はありませんがサードパーティー製のイヤーパッドが販売されています。)
PC環境での使用も強く意識された機能面
まずは、本製品の全機能を使うにはPCで「INZONE Hub」を利用する必要があります。
このアプリ自体も安定面含めて非常に良くできており、このあたりからもPS5というよりむしろPC環境での使用を強く意識した製品なのではないかと感じます。
無線による音質比較
音楽での確認では、いずれの機種も高音までしっかり表現できている印象で、どちらかといえばフラット寄りですが、「INZONE H9」のほうが低音は強い印象です。
「CORSAIR VIRTUOSO RGB WIRELESS XT」のほうが若干音に距離がある印象で「INZONE H9」はもっと近くで音が鳴っている印象です。おそらくこの音場表現の違いにより「VIRTUOSO XT」のほうがいわゆる高音が刺さると感じにくくなっている気がします。
いい意味で、「VIRTUOSO XT」にはサウンドに落ち着きがあり、「INZONE H9」のほうが派手に鳴っている印象で、サウンド全体として「VIRTUOSO XT」に比べてごちゃついた印象があります。
派手とはいえ、「Astro A50」ほどの派手さではありません。
定位感はかなりはっきりしています。
立体音響
「INZONE Hub」で立体音響を有効にすることができます。
ONにすると音に若干距離ができ定位感がよくなりますが、音質自体はわずかに低下している印象で、音の距離感だけでいえば「VIRTUOSO XT」のサウンドに近くなったと感じます。
足音で方向を判断する必要があるゲームでは有効にした方がいいかもしれません。
(ちなみに、このようなサラウンド設定がない「VIRTUOSO XT」でも足音など定位感は問題なく、このあたりがもしかしたらハードウェア設計の優れている点と言えるのかもしれません。)
低遅延2.4GHzとBluetoothによる同時接続
今回はPC接続編なので、Windowsに2.4GHzで、MacにBluetoothで接続して機能面など確認しました。
(PS5接続編も後日公開予定)
本体のGAME/CHATバランスはGAMEがWindows側、CHATはMac側と扱われ、音量のバランス調整が期待通りに機能します。
また、Bluetooth接続時、Discordによる音声通話時いずれにおいても2.4GHz側の音量・音質に変化なしで、「VIRTUOSO XT」では、音声通話時にGAME側の音量が強制で下がってしまうという残念な仕様なのですが、「INZONE H9」のほうは全く問題なく、ゲーミングヘッドセットとしてマルチデバイス接続の利用を開発側がしっかり理解しているという印象です。
マイク
マイクについては、2.4GHz接続では音量が小さく、なぜかBluetooth接続時では音量に問題はないです。また音質については、無線ヘッドセットとしてはありがちな音質で、特筆すべき点もありません。(若干悪い寄りの音質評価)Bluetooth接続時でもワイヤレスとしては合格点かなと思います。
(もしかしたら2.4GHz接続時よりBluetooth接続時のほうが音質がいいのではとも若干感じました。)
音質自体は「VIRTUOSO XT」のほうがいいです。
Discordの認証機器になっているようでCERTFIEDマークが表示されます。
ANC(アクティブノイズキャンセリング)
それほど強く効果があるという印象はなく、エアコンの音はかなり抑えられる印象ですが、会話など、人の音声は多少こもった感じになるだけで会話内容が理解できる程度にしか効果はないです。そもそも密閉型なら必要ないと感じる機能ではありますが、音質的な影響もほとんど感じないのでのでONにしての利用でいいのかなという印象です。
まとめ
PS5で光接続がなくなってしまったことで、各社マルチデバイス接続の方法のひとつとしてBluetooth接続でという方向に足並みが揃いつつあるのかなというところで、しっかりゲーミングデバイスとして機能面での実装がされたという印象で、「INZONE Hub」の安定感含めて音質面・機能面では大満足です。一方で少々安っぽい外観や交換不可なイヤーパッドなど残念に感じる部分もあります。
(公式での販売はありませんがサードパーティー製のイヤーパッドが販売されています。)
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