『Rise of the Ronin』 レビュー

日本の幕末を舞台に歴史的な出来事に絡んで活動する浪人を主人公とするオープンワールドアクションRPG「Rise of the Ronin」のレビューです。
開発はコーエーテクモゲームス「仁王」シリーズなどを開発してきた「Team NINJA」となります。

世界観・ストーリー

幕末の日本が舞台ということで歴史的に有名な出来事や坂本龍馬をはじめとした幕末の多くの人物達との交流も描かれた作品となっています。
まさに「アサシンクリード」シリーズと同じことをやっている作品という意味では目新しさはありません。
各カットシーンでの見せ方などは現代のゲームとして合格点と言えるレベルで用意されており、歴史的に重要な出来事に絡む主人公と登場人物との関係性などもよく描かれていると思います。

また本作ではプレイヤーの選択肢により分岐が生まれるような形になっています。
ただし、その分岐自体はメインストーリーに大きな影響を与えるものではなく、取得できるアイテムの違いという影響の方が大きく感じます。
幸い、分岐ごとに再度プレイしてその分岐を変えることがいつでも可能な「留魂録」というものが用意されているのはかなりフレンドリーな仕組みだと思います。

「留魂録」の画面。分岐はあるがその後、統合される流れがわかる。

TeamNINJAらしいアクションと一部の問題点

アクション面に関しては基本的によくできていると思います。
本作では武器だけでも12種類(遠隔武器を除く)もあり、さらに武器種ごとに数は違いますが流派という概念があり、武器2種を装備し、武器ごとに3種の流派をセットして戦闘中でも素早く切り替えられるようになっているので、非常に幅が広くなっています。
当然いわゆるパリィとなる「石火」や回避、ガードなども用意されています。
TeamNINJAらしい、若干の死にゲー感もありますし、幅の広さも感じます。

装備画面。武器2種にそれぞれ流派が3つずつ設定されている

本作では多くの登場人物と戦う場面も用意されており、道場というコンテンツも用意されています。
一部のキャラクターで少々理不尽さを感じるキャラクターもおり、惜しいなと感じる点でした。
おそらく本作においてスタミナとなる「気力」の仕様と敵の攻撃パターンやスーパーアーマーとの兼ね合いが悪いんだと感じます。

また本作ではカメラに問題を抱えており、屋内での戦闘において、日本の狭い家屋が舞台となることも多いので、カメラが壁に当たって以降アングルがめちゃくちゃになり、敵キャラクターを捉えなくなるという問題があります。本作では敵の攻撃に対してガードだけでなくパリィでも自分の操作キャラクターは後退してしまうので手数が多い敵との相性は最悪でカメラに表示されていない間に死んでしまうことも多々発生してしまいます。

様々な登場人物と親交を深められる好感度要素

坂本龍馬や新撰組の面々など多くのキャラクターと親交を深めることができる好感度システムが用意されており、プレゼントや道場での鍛錬やミッションへの同行などで好感度を上げられるようになっています。また報酬となる内容はキャラクター独特のアイテムや、流派などが用意されており、好感度に応じて専用のイベントも用意されているなど非常に厚くできたアクティビティとなっています。

同日発売の「Dragon’s Dogma 2」にも似たようなものがありますが、そちらは非常に薄いコンテンツだったので余計に好印象に感じてしまう部分です。

キャラクターごとに用意されている好感度とその報酬。報酬にはキャラクター独自の装備や流派などがある

新しい何かはないが高次元でまとまりがあるゲーム

その他オープンワールドのアクティビティもサイドクエストやアイテム収集要素など、幕末という舞台に合わせたものになっており、妖怪などファンタジー要素は一切ありません。滑空要素など若干のファンタジーを感じさせるものはあるものの、幕末の日本を体験してほしいという開発の姿勢は感じることができますし、クリア後のエンドコンテンツなど、ボリュームも多く現代のゲームとして非常によくできた作品となっていると思います。TeamNINJA、そして日本のオープンワールド作品として今後も期待したい一本です。

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